「生きる」ってこと

ヨメの祖父が亡くなった。89歳だった。


十分長生きしたし、特別な病気じゃなくて老衰ってことだから、苦しまずに亡くなったんだし。
そうやって納得させても、やっぱり残された人は悲しい。
皆でお経を読み、涙をこらえる。こらえきれない人もいる。
でも、最期まで頑張って生きてくれたから、お経が終わって食事をする頃には、皆笑顔が作れる。
そりゃあ、心まで笑顔になるまでには、時間がかかるだろうけど。


世の中には、最期まで頑張らないで亡くなっていく人がたくさんいる。
最期まで頑張ることが出来ない環境の人もたくさんいる。
自分が死ぬときに、残された人はどう感じるのかな?


自分の結婚式のとき、一度しか会ったことのない祖父。
最期まで頑張った祖父の前で、結婚式のときのように、もう一度。


「幸せな家庭を作ります」


心の中で誓いながら、お焼香した。
自分が出来る、唯一の供養。
自分にとって、頑張って「生きる」ってこと。